宗教ですか?

 「・・・内観は、内観です・・・」 内観法の創始者・吉本伊信先生は仰いました。

 内観は、宗教ではありません。内観は、自分の心を観る技術・自分を知る方法です。内観をした結果、何を気付き、どういうふうに考えるかは人それぞれで全く自由です。

 個々の内観者の気付きや深まりはそれぞれですが、どこまでやれば成功だとか、到達したというものでもありません。嫌になったらご自分の判断で立ち止まるのも良いですし、辞めることに対して批難することも咎めることもありません

 確かに内観は仏教の浄土真宗の一派に伝わる身調べを改良したものであり、仏教から生まれたものですが、集中内観によって特定の教えを強要されることはありませんし、経典や教祖も存在しません。

 宗教ではないので、宗教を信じられない方にも、宗教者にも、全く同じように研修していただいています。

 

 全国にある内観研修所や内観を取り入れている病院等はそれぞれが独立しており、日本内観学会の認定する医師・臨床心理士・面接士の倫理規定では、

責任

第1条 内観面接者は、自らの内観を援助することが及ぼす結果に責任を持つこと。その業務の遂行に対しては、内観者の人権尊重を第一義と心得、個人的、組織的、財政的、政治的、及び宗教的目的のために行ってはならない。また、強制してはならない。

とあります。さらに内観学会では内観を実施するにあたって、いかなる身体拘束も認めないという声明を出しております。

 

 以上のことから、研修団体及び面接者が特定の思想を強要したり、内観者個人の思想・信条の自由を妨げることはありません。

 むしろ内観とは、これまでとらわれていた特定の考え方から、事実を客観的に見つめることによって、自分(自我)を解放する方法と考えられます。

 現在では日本内観学会、国際内観学会、日本内観研修所協会等があり、宗教性・精神修行的な側面もある一方で、医学的、学術的、国際的に研究が行われ、医療・教育・産業・メンタルトレーニングの分野でも内観は広がりつつあります。