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内観についての疑問にお答えします

 

内観について知りたい・興味がある、そんな方々から多くいただいた疑問・質問にお答えします

01

どのような方々が内観をするのですか?

 

 人生上の悩みを解消したいとする人だけでなく、内なる求道心に促されて訪れる方もいらっしゃいます。

 いずれの目的でお越しになっても、自己の姿に直面することで、懺悔と共に人々から生かされている事実に目覚めていく方が多いのです。その経験が心のしこり、とらわれ、悲しみから解放されていく機縁となり、私たちは新たなる旅立ちへといざなわれていくのです。

 

 何のために内観するのかという動機は人それぞれですが、大きく分けると「自己啓発」「問題解決」「自己発見」に分類できます。


①自己啓発
   社員研修、花嫁修業、就職準備等を目的・動機として内観される場合で、

   「内観教育」と表現されることがあります。


②問題解決
   対人関係(親子・夫婦・嫁姑・上司部下・友人等)、酒、ギャンブル、借金、

   非行、心身症、不登校等の悩み解決を目的・動機として内観される場合で、

   「内観療法」と表現されることがあります。


③自己発見
   人生の意味・目的を見つけるために内観される場合で、「内観法」と表現さ

   れることがあります。「どんな境遇にあっても、幸福に生きることができる心

   境になる」という内観の目標を目指すことであり、内観本来の目的と言えます。

02

内観したらどんな効果がありますか?

 

 一言で回答するのは大変難しいご質問です。内観をされる方それぞれの目的や動機が違いますし、一人一人が抱えている問題と、それを解決するための「気づき」がそれぞれ異なるからです。

 一つ言える事は「内観する前と比べると良い状態になっている」ということでしょうか。

 但し、無理やりに連れて来られたり、漫然と一週間を過ごすだけでは何の意味もありません。内観には拘束力はありませんので、途中で帰りたいと言えばこちらが引き止めることもできません。

 内観をするにあたって最も大切なことは本人の自主性です。

 一週間最後まで内観を体験して、全く効果が無かったという方は今までいませんが、目標が極端に高い場合や、内観に伴う思い通りの状態的変化を基準にされた場合、実感として「物足りない」という事はあると思います。また、特に目的なく内観された方の中には効果の実感が薄く感じられる方もいます。

 

 稀に病気を治すために内観したいという方がいらっしゃいますが、内観研修所は病院ではありませんし、医者もおりません。命に関わるような病気をお持ちの方は、まず病院やクリニックのお医者様に内観する旨をご相談のうえ、ご連絡ください。

こちらもご参考ください♪

奥武蔵内観研修所 「よくある質問」 

(内観の効果や副作用について詳しく説明していますよ)

 

 沖縄県内在住の方は事前に、施設見学と内観の詳しい説明を受けていただくと、内観に対して理解を深めることができ、より効果的だと実感しております。

 ※事前説明を希望される方は面談日時を調整しますので、事前にご連絡ください。

03

内観は宗教ですか?

 「・・・内観は、内観です・・・」 内観法の創始者・吉本伊信先生は仰いました。

 内観は、宗教ではありません。内観は、自分の心を観る技術・自分を知る方法です。内観をした結果、何を気付き、どういうふうに考えるかは人それぞれで全く自由です。

 個々の内観者の気付きや深まりはそれぞれですが、どこまでやれば成功だとか、到達したというものでもありません。嫌になったらご自分の判断で立ち止まるのも良いですし、辞めることに対して批難することも咎めることもありません

 確かに内観は仏教の浄土真宗の一派に伝わる身調べを改良したものであり、仏教から生まれたものですが、集中内観によって特定の教えを強要されることはありませんし、経典や教祖も存在しません。

 宗教ではないので、宗教を信じられない方にも、宗教者にも、全く同じように研修していただいています。

 

 全国にある内観研修所や内観を取り入れている病院等はそれぞれが独立しており、日本内観学会の認定する医師・臨床心理士・面接士の倫理規定では、

責任

第1条 内観面接者は、自らの内観を援助することが及ぼす結果に責任を持つこと。その業務の遂行に対しては、内観者の人権尊重を第一義と心得、個人的、組織的、財政的、政治的、及び宗教的目的のために行ってはならない。また、強制してはならない。

とあります。さらに内観学会では内観を実施するにあたって、いかなる身体拘束も認めないという声明を出しております。

 

 以上のことから、研修団体及び面接者が特定の思想を強要したり、内観者個人の思想・信条の自由を妨げることはありません。

 むしろ内観とは、これまでとらわれていた特定の考え方から、事実を客観的に見つめることによって、自分(自我)を解放する方法と考えられます。

 現在では日本内観学会、国際内観学会、日本内観研修所協会等があり、宗教性・精神修行的な側面もある一方で、医学的、学術的、国際的に研究が行われ、医療・教育・産業・メンタルトレーニングの分野でも内観は広がりつつあります。

04

2泊3日でできますか?

 

 もちろん何度も集中内観を体験されている方などのご相談には応じますが、初めて内観を経験される方にはお勧めしません。

 

 通常、初めて内観をされる方の多くは、環境への順応に1日~2日、過去の出来事を振り返り、内観3項目に沿った思考になるのに3日~4日の日数がかかります。どんなに早い方でも、ようやく内観のコツを掴み始めたあたりで3日という時間は過ぎてしまいます。ほとんどの方が「内観」になる前の苦しい状態で終わってしまうのです。

 

 せっかくお休みを取り、研修費用を出して参加されるわけですから、是非とも「ほんとうの自分」に出会うまで内観を進めて、今までとは違った状態で帰路についてほしいと願っております。

 

 今まで数十年間溜めてきた心の垢を落として、これからの人生を幸せに過ごすために、「人生の棚卸し」のつもりで一週間という有意義な時間を過ごしてみませんか?

05

屏風の中で過ごすと聞きました。足が悪いけど大丈夫ですか?
なぜ狭い屏風の中で過ごさないといけないの?

 

 集中内観は部屋の一隅に立てられた屏風の中、畳半畳ほどの空間に入り、楽な姿勢で座りながら一週間過ごします。トイレ・入浴・お茶を入れること以外席を立たず、食事も屏風の中でいただき、他の人と一切話をしないことが原則です。また、携帯電話・本・ラジオ等の自分と向き合うことに障害となる情報源は全て持ち込むことをお断りしております。

 

このような工夫を行って、ひたすら自分自身を見つめる環境を作り、内観に集中していただいております。

 

屏風の役割

 自分自身と向き合えるように、外部との情報を遮断し、集中力を高める工夫として、屏風で仕切られた空間の中で内観していただきますが、「完璧な密室」にならない屏風の特性が、内観を深める上で非常に重要なものになります。

 

 一緒に内観をしている方々の様子や料理を作る生活音、また野鳥のさえずりや虫の声が屏風越しに聴こえる事が内観をより深めたという体験者の方も多くいます。また、最初の3日目くらいまでが慣れない環境に苦労しますが、不思議なことに慣れてくると屏風の中が「安全な場だと感じた」「安心感があった」という体験者の声も多々あります。

 

 足の悪い方、閉所恐怖症の方など、屏風の中で座れない状態の方にはイスを利用してもらったり、その時々に応じて対応させていただいております。内観に集中できるように出来る限りご対応をして、環境を整えますのでご相談ください。

 

06

内観三項目について。
なぜ迷惑をかけたことを調べるのか?

 

吉本伊信先生は内観研修所に専念する以前は大きな会社の経営者でした。

その経験を活かして、よく内観三項目を「貸借対照表」に例えて説明しておりました。

 商売の世界に「貸借対象表」というものがあります。自分が貸した分、借りた分のバランスを知るためのものです。貸借というものはバランスが取れてないといけません。内観の三項目の内の最初の二つ「してもらったこと」「お返ししたこと」は、二つの事実を調べて、バランスが取れているかを検証することで自己観察を深めることができる項目となっています。

 では、なぜ「迷惑をかけたこと」を調べて「迷惑をかけられたこと」を調べないのか?

 人間はイヤだった思い出、辛かった記憶というものが引き出しの一番手前にたくさん入っています。内観中に過去の出来事を思い出した際、「こんな酷いことを言われた」「辛いことをされた」「私はこんな不遇な環境で生きてきた」という事は常日頃感じていることなので、割と簡単に思い出しやすいようです。様々な悩みを抱えていらっしゃった方の多くが、昔されて嫌だったことに捉われて長年生きています。怒り・悲しみ・憎しみという感情を抱きながら日常生活を過ごしているので、人生に行き詰まりを感じるのです。

 つまり日常生活において、これまでの人生でたくさんの「迷惑かけられたこと(被害者意識)」はたくさん考えているのに、「迷惑をかけたこと」はあまり深く考えていません。これではバランスが取れないので、内観では「迷惑をかけたこと」だけを調べるのです。

 

 「相手を許したい」「嫌な記憶から解放されたい」「もっと楽に人生を楽しみたい」そう思うなら迷惑をかけたことを調べて「迷惑」という貸借のバランスをとる必要があるのです。

 

その他の質問について

内観研修所は全国各地にあり、ほとんどの研修所が独自のホームページを開設しています。もしかするとそのホームページの中に皆様がお持ちの疑問・質問に対する答えが見つかるかもしれません。どうぞご参考になさってください。

奥武蔵内観研修所「よくある質問」へ

​​ふうや内観研修所「よくある質問」へ

​瞑想の森内観研修所「内観体験者の声」へ

​北陸内観研修所「内観された方の声」へ

 

 その他にも各研修所のホームページ・内観センター・自己発見の会・内観学会・研修所協会へのリンクもありますので、どうぞご参考ください。

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