内観とは・・・
内観とは「内を観る」と書き、自らを観察し「自分を知る」ための方法として開発された自己観察法・自己修養法です。
内観法は父母、祖父母、兄弟、姉妹、配偶者というような身近な人に対する自分の行動を「お世話になったこと」「お返ししたこと」「ご迷惑をかけたこと」という3つの観点で、記憶のある頃から3年程度で区切りながら、年代順に具体的なエピソードを思い出し、設定した対象者との関係を通して、自分自身を観ていきます。
また、大きく「集中内観」と「日常内観」というふうに分けられますが、やり方は基本的にどちらも同じです。大きな違いは集中内観は内観研修所のような専門の施設で、従来の方法(内観源法)を遵守して行われ、内観の基本を身につけるために面接者が軌道修正をしながら行います。日常内観は集中内観体験者が日常生活を営みながら一人で行い、各々が日常の中に反映しようとするものです。
内観とは・・・

集中内観は・・・
当研修所では6泊7日、朝5時から夜9時まで部屋の隅に屏風で仕切られた畳半畳のスペースに入り、内観に集中します。朝5時に起きて5時半までに掃除・洗面を済ませたら、トイレとお風呂、お茶を入れること以外は席を立ちません。食事も屏風の中でとります。
具体的には、母との間、父との間、兄弟、友人、職場の方というように、年代に沿って
(1)していただいたこと(お世話になったこと)
(2)お返ししたこと
(3)ご迷惑をかけたこと
の3点(内観三項目と言います)に絞って、事実を思い出していきます。
約1時間半毎に面接があり、調べたことを2~3分程度で簡単に報告します。面接者は調べ方が違っている場合には軌道修正しますが、お説教やカウンセリングは一切ありません。1週間かかって自分で気付きを得ることが大切です。
又、せっかく1週間かかって気付きがあっても、日常生活に戻ると、何日かで忘れてしまいます。だから日常内観が必要になるのです。
日常内観は・・・
通勤・通学途中やお風呂、庭の手入れ等の軽作業の時間を利用して毎日、日常的に内観を行います。それが出来るように練習するのが集中内観です。集中内観は、日常内観の練習なのです。
内観法の創始者・吉本伊信先生は「集中内観が電柱だとすれば、日常内観は電線のようなものである」と仰っています。